アルツハイマー病などの新しい画像診断用検査薬
2014年4月7日、GEヘルスケア・ジャパン株式会社は、陽電子放射断層撮影装置(PET)検査で用いられるβアミロイド検出用薬剤Flutemetamol(フルテメタモール)の国内開発にあたり、日本メジフィジックス株式会社との協力体制を構築したと発表した。
アルツハイマー病などの神経変性疾患では、脳内にβアミロイドが蓄積し、脳神経に悪影響を及ぼすとされている。脳内βアミロイドの増大はアルツハイマー病の重要な病理学的特徴であり、βアミロイドの蓄積を評価する画像検査が診断に用いられる。
フルテメタモールは、アルツハイマー病など認知障害の疑い例において、脳内βアミロイドの沈着を画像化するために開発され、米国ではすでに医薬品として承認されている。
社会の高齢化による患者増大を見据え、同剤によるPET検査の普及を目指す
PET検査では、放射能をもつ原子(ポジトロン核種)で検査薬を標識する必要があり、このポジトロン核種は半減期が短いため病院内のサイクロトロンで製造される。
GEヘルスケア・ジャパンは、病院内のサイクロトロンによる院内でのフルテメタモール合成を前提として、同社が販売している放射性医薬品の合成設備にフルテメタモール合成用カセットを追加するために、医療器機の一部変更承認申請を3月20日付けで行った。
また、日本メジフィジックスは、フルテメタモールを医薬品として承認申請するため、3月26日付けで英国GE Healthcare Ltd.とライセンス契約を締結。日本メジフィジックスの製造拠点から、より多くの医療現場へフルテメタモールを供給することを目指す。
GEヘルスケア・ジャパンと日本メジフィジックスの両社は、「我が国における高齢者人口が増加する中、今回の体制構築により、両社はFlutemetamolを使用したPET検査の普及を促進し、患者さんのQOL向上に貢献することを目指す」としている。

GEヘルスケア・ジャパンと日本メジフィジックス βアミロイドイメージング市場開拓を目指す(GEヘルスケア・ジャパン株式会社)
http://www3.gehealthcare.co.jp/ja-JP/News_and_Initiatives/