H5N1型に対する予防ワクチン
一般財団法人化学及血清療法研究所(以下、化血研)は、新型インフルエンザ(H5N1)に対しての予防ワクチン「一般名:乳濁細胞培養インフルエンザHAワクチン『H5N1株』」(以下、本剤)の製造販売承認を取得したことを発表した。
化血研は、H5N1型に対するワクチンの製造販売承認申請やH1N1型新型インフルエンザ向けのワクチンも生産・供給した実績を持つ。
乳濁細胞培養インフルエンザHAワクチン
本剤は、化血研とグラクソ・スミスクライン株式会社、グラクソ・スミスクライン・ワクチン(以下、GSK)の共同開発によってつくられたものである。
化血研はGSKと共同でフランスのVelneva社よりライセンスを受けた、EB66(R)細胞とそれぞれが所有する細胞培養技術および精製技術、GSKのアジュバント技術をあわせて本剤の開発をしており、2011年に国内で行った臨床試験によって安全性と有効性が確認されている。
これを受けて2013年3月に製造販売承認申請を行っており、今回の承認となった。
開発の背景
新型インフルエンザがいつ発生するかが予測できないにもかかわらず、発生した場合には迅速にワクチンは生産および供給される必要がある。
化血研は、厚生労働省の「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業」の1次応募事業と2次公募事業の両方に選ばれ、細胞培養法による新型インフルエンザワクチンの生産施設の設備や臨床試験の業務などを対象に助成金の交付を受けながら、本剤の開発を進めていた。
本剤は「細胞培養法」によるものであり、パンデミックが発生した場合に、生産期間の短縮と早期のワクチンの供給可能が期待され、2012年6月に希少疾病用医薬品の指定を受けている。

ニュースリリース
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