メトヘモグロビン血症治療薬としてのメチレンブルー
2014年3月17日、第一三共株式会社は、メトヘモグロビン血症治療用注射剤メチレンブルー(一般名:Methylthioninium chloride)に関して、国内における製造販売承認申請を行ったことを発表した。
メトヘモグロビン血症は、医薬品や農薬などさまざまな化学物質により血中メトヘモグロビン濃度が上昇し、チアノーゼや頭痛、めまい、呼吸困難、意識障害などの症状が発生する中毒性の疾患。
メチレンブルーは、NADPH依存メトヘモグロビン還元酵素系により、赤血球中のメトヘモグロビンを還元してヘモグロビンへ戻す作用があることから、メトヘモグロビン血症に対する治療効果が期待できる。しかし日本においては、メチレンブルーは試薬としての販売のみで、医薬品としては承認されていない。
「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」による募集
厚生労働省主催の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」は、欧米で使用されているが、日本国内では承認されていない医薬品や適応について、製薬企業による開発の促進を目的として設置された。この会議において、メチレンブルーの開発企業が募集され、第一三共が開発の実施を決定。
2011年11月、日本におけるメチレンブルーの独占的開発および販売権をフランスのProvepharm SAS社より第一三共が取得して開発を進め、今回の承認申請へとつながった。
第一三共は「企業の社会的責任(CSR)の観点から、引き続き未承認薬・適応外薬の解消に積極的に取り組む」としている。

メトヘモグロビン血症治療用注射剤メチレンブルーの国内製造販売承認申請のお知らせ(第一三共株式会社)
http://www.daiichisankyo.co.jp/news/detail/006087.html