手術不能または再発乳癌の効能追加の承認を取得
ノバルティス ファーマ株式会社は、3月17日、抗悪性腫瘍剤「アフィニトール(R)錠2.5mg、同5mg」(一般名: エベロリムス、以下「アフィニトール」)について、手術不能または再発乳癌の効能追加の承認を取得したことを発表した。
アフィニトール
「アフィニトール」は、mTORタンパクを標的とした、mTOR阻害剤である。乳癌の内分泌療法に抵抗性を発生させるメカニズムの一つとして、PI3K/AKT/mTOR経路が過剰に活性することと関連があると考えられており、内分泌療法に「アフィニトール」との併用によって、内分泌療法への抵抗性を克服し、治療の効果が高まることが期待されている。
試験概要
進行性乳癌に対する「アフィニトール」の有効性と安全性は、日本を含め世界24カ国で実施された第3相臨床試験のBOLERO-2試験に対する結果で確認された。
試験は患者を「アフィニトール」併用群とエキセメスタン単独療法群に2:1の割合でランダムに割り当てられ、主要項目結果である無憎悪生存期間が、エキセメスタン単独療法を行った患者群と比較して、「アフィニトール」を併用した患者群は2倍以上に延長されるという結果が示された。
条件付きの承認
今回の効能追加に対する国内承認にあたり、承認条件として「乳癌の診断、化学療法に精通した医師によってのみ処方・使用することとし、「アフィニトール」のリスク等についても十分に管理が可能な医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ使用するよう、製造販売にあたって必要な措置をとること」が付与されることとなった。
主な副作用として、口内炎(口腔内潰瘍等を含む)が最も多く約64%、それ以外には発疹、疲労、食欲減退、下痢、味覚異常、悪心、感染症、肺臓炎、体重減少、貧血、鼻出血、高血糖、血小板減少症、そう痒症等がみられたという。

ノバルティス株式会社ニュースリリース
http://www.novartis.co.jp/news/2014/pr20140317_02.html