急性GVHDの治療薬として開発
JCRファーマは、第36回日本造血細胞移植学会総会において、ヒト間葉系幹細胞を利用した細胞性医薬品(JR-031)の第II/III相臨床試験の結果を、発表した。
JR-031は、造血幹細胞移植後に発生する重篤な合併症である急性移植片対宿主病(急性GVHD)の治療薬として同社が開発中の品目。日本初の細胞医薬品として、製造販売承認の取得を目指しているという。
症状が消失、高い忍容性も確認
上記学会で発表されたところによると、ステロイド抵抗性の重症急性GVHD(grade III- IV)を発症した25例にJR-031を投与したところ、4週後の時点で完全反応(症状がすべて消失)または部分反応(症状の部分的消失)が15例(60%)に認められたという。
また、25例中12例(48%)においては、初回投与時から24週までの期間に、急性GVHDが再燃することなく、28日間以上継続する完全反応が認められた。治験期間中、問題となる有害事象は認められず、高い忍容性も確認されている。
日本初の細胞医薬品として
同社、第I/II相臨床試験よりも重症例を対象とした第II/III相臨床試験においても良好な結果が得られたことを踏まえ、日本初の細胞医薬品として同剤の製造販売承認取得を目指す。希少疾病治療薬の開発に取り組むスペシャリティファーマの使命として、一日でも早く同剤を患者へ届けることができるよう、引き続き努力していくという。

細胞性医薬品(開発番号:JR-031)の第II/III相臨床試験結果の学会発表について - プレスリリース
http://www.jcrpharm.co.jp/news/