米国TRACON社とライセンス契約締結
参天製薬株式会社(以下参天製薬)と、TRACON Pharmaceuticals,Inc.(以下TRACON社)は、2014年3月3日付けで、TRACON社が所有するTRC105を含む抗エンドグリン抗体の眼科疾患治療剤の開発に関するライセンス契約を締結したことを発表した。
今回のライセンス契約の締結によって、参天製薬はTRACON社に対し、契約一時金1000万ドルの支払い、開発ステージ・全世界の眼科領域における販売状況に応じたマイルストンの支払いを行うだけではなく、治験許可申請のための試験を含むすべてのグローバル開発と商業化するための活動費用を全額負担する。
TRACON社は現在進行中のオンコロジー領域疾患の第2相臨床試験を継続し、眼科領域以外での全世界における抗エンドグリン抗体開発の権利を所有し続ける。
TRC105
エンドグリンは血管内皮細胞に存在するレセプターで、病態時に発生する新たな血管が形成される過程において必須タンパクである。
TRC105はこのエンドグリンに対する抗体であり、TRACON社は全く新しいタイプのファーストインクラス抗がん剤として、臨床開発を行っている。TRACON社は米国国立研究所の癌治療評価プログラムを活用しながら、各種の癌患者を対象にした複数の臨床試験を実施中だ。
TRACON社はTRC105を抗血管内皮細胞増殖因子(VEGF)製剤との併用療法に関して、オンコロジー分野において現在開発を進めており、その領域において様々な前臨床および臨床試験結果を保有している。
その結果によると滲出性加齢黄斑変性(Wet AMD)等の眼科治療分野においても、VEGFとエンドグリンの療法の阻害を通じて抗VEGF製剤よりも優れた効果を期待することが可能である。

参天製薬株式会社ニュースリリース
http://www.santen.co.jp/ja/news/20140304.pdf参天製薬株式会社
http://www.santen.co.jp/ja/TRACON Pharmaceuticals,Inc.
http://www.traconpharma.com/