SCY-078が認定感染症製品(QIDP)に指定される
創薬・医薬品開発企業のサイネクシスは2月24日、カンジダ菌血症を含む侵襲性カンジダ症と、侵襲性アスペルギルス症を適応症とする経口薬として、米食品医薬品局(FDA)によって、SCY-078を認定感染症製品(QIDP)に指定されたと発表した。
2012年米国抗生物質開発インセンティブ法(GAIN)に基づくQIDPの指定により、サイネクシスはSCY-078に関し、ファストトラック指定を受ける資格を獲得し、5年間延長して米国で市場独占権を持つことが可能となった。SCY-078(旧称MK-3118)はサイネクシスのリード製品として、第2相の開発段階に入ろうとしている。
SCY-078
SCY-078は、天然物質エンフマフンギンの半合成誘導体である。また、IFI治療薬として開発された経口/非経口グルカン合成酵素阻害薬として、ほとんどの侵襲性真菌感染症(IFI)の原因とされている2つの主要な病原菌であるカンジダ属とアスペルギルス属に対して活性である。
サイネクシスは、
グルカン合成酵素阻害薬は、病院における侵襲性真菌感染症の治療で非常に有効であるが、現在は、経口製剤が存在しないという現状から、今回、FDAからQIDP指定を受けることにより、SCY-078の開発を第2相臨床試験、最終的に市場投入へと持ち込むことに対して、自信が深くなった(ニュースリリース引用)
とコメントしている。
侵襲性真菌感染症(IFI)
侵襲性真菌感染症(IFI)は、感染症でさまざまな真菌種によって発症する感染症で重篤で多くの場合に生命を脅かすものである。最も一般的な侵襲性真菌感染症はカンジダ属とアスペルギルス属が原因となり、これらは米国とヨーロッパにおける全侵襲性真菌感染症の約85パーセントの原因とされている。
侵襲性真菌感染症の発生率は、リスクがある患者の人口が増え続けることと比例し、過去20年間で大きく増加している。現在は、利用可能な抗真菌薬が存在するにもかかわらず、罹患率と死亡率は高いままとなっている。これは、限定された治療選択肢が広く利用されているため、その薬物耐性株が誕生することで、原因の感染症が増加しているからである。

ニュースリリース
http://www.businesswire.jp/news/jp/20140223005276/jaSCYNEXIS
http://www.scynexis.com/