ルセンティス、4つめの適応症が承認される
ノバルティス ファーマ株式会社は、「ルセンティス(R)硝子体内注射液2.3mg/0.23mL」『一般名:ラニビズマブ(遺伝子組み換え)/以下、「ルセンティス」』について、新たな適応症として「糖尿病黄斑浮腫」の承認を取得したことを発表した。
「ルセンティス」を、糖尿病黄斑浮腫(DME)によって視力が低下している患者の眼の硝子体内に注射すると、血管内皮増殖因子(VEGF)が阻害され、血液成分の漏出を抑制する。その結果、黄斑浮腫が軽減されて、視力低下が改善する効果がある。
試験概要
日本が参加した国際共同治験であるREVEAL試験を含む国内外の臨床試験で、「ルセンティス」をDMEの患者の視力が安定するまで月1回硝子体内に注射し、その後、注射間隔を個別に調整する方法で注射したところ、投与開始1年後において、平均視力の改善が確認されている。
また、改善した平均視力は投与開始3年後まで維持することができただけではなく、この間の注射回数は年が経過するにつれて徐々に減少した。
さらに、安全性は既存の中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性症、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管の適応症と同様であることも確認された。
追加承認の背景
DMEの基礎疾患である糖尿病が強く疑われる成人は、年々増加している。糖尿病網膜症は糖尿病の3大細小血管合併症の一つであり、日本における成人の中途失明原因として常に上位であり、平成23年の調査によれば糖尿病患者での有病率は15.0%と推計されている。
糖尿病網膜症が進展するにつれて、DMEの発現頻度も高くなることから、糖尿病患者数の増加に伴うDMEによる視力低下に対する治療や患者のQOL管理も課題とされている。そのような状況における今回の効能追加について、ノバルティス ファーマは、
今回、『ルセンティス』が新たな適応症を取得したことで、DME患者の視力低下に対する高いアンメットニーズが満たされることを期待しています(ニュースリリースより引用)
とコメントしている。

「ルセンティス(R)」、糖尿病黄斑浮腫の適応症について日本で承認を取得(ニュースリリース)
http://www.novartis.co.jp/news/2014/pr20140221.html