ノロウイルスワクチンの重要性
第一三共は秋田県に本社を持つUMNファーマとの間で、ノロウイルスワクチンの共同研究契約を締結したことを2014年2月14日に発表しました。
毎年全世界で約20万人がなくなるといわれているノロウイルスは、感染性胃腸炎を引き起こす原因ウイルスの一つです。日本においても近年感染者が増加しています。ノロウイルスには予防ワクチンがまだ存在せず、2013年の厚生科学審議会における「予防接種・ワクチン分科会」では、ノロウイルスワクチンは開発優先度の高いワクチンとして選定されました。
共同研究契約の内容
今回の共同研究契約については、UMNファーマは同社独自の製造プラットフォームを用いて製造した組み換えノロウイルスVLP(2)抗原を第一三共に提供します。VLPはアジュバントがなくとも強力な免疫を誘導する抗原として期待されるウイルス様粒子です。VLPにはウイルスの外殻のみがあり、内部にはウイルスゲノムを持たないという特徴もあります。第一三共はこの抗原に基づいて基礎研究を実施し、ノロウイルスワクチンの開発可能性を目指していくこととなります。
この共同研究契約期間の間は、UMNファーマは第一三共に対してノロウイルスVLP抗原を独占的に供給することを約束しており、他方で第一三共との間でノロウイルスワクチン開発に向けてより一層の提携について独占的な交渉する権利が同社には与えられています。
両社はそれぞれが保有する革新的な技術を組み合わせ、ノロウイルスに対して新規予防ワクチンに対する研究開発を通じて、日本および世界の人々の健康増進に貢献していくとのことです。

第一三共 プレスリリース
http://www.daiichisankyo.co.jp/