気管支拡張剤の新製剤
大塚製薬株式会社は、気管支拡張剤メプチンの新しい製剤として、「メプチンスイングヘラー10μg吸入100回」(プロカテロール塩酸塩水和物の吸入粉末剤)の製造販売承認を2月14日に取得したことを発表した。
(画像はニュースリリースより)
発売の背景
気管支喘息などの治療に使われる吸入式の気管支拡張剤は、ダイレクトに気道へ薬を吸入させることで、少量でも効果も発揮でき、経口剤と比較して副作用を軽減できるというメリットがある。だが、エアゾール製剤は、薬剤の噴射と同時に吸入のタイミングをあわせる必要があり、このタイミングをあわせることが難しい患者も存在している。
そのため、薬剤の噴射と同時に吸入する必要がなくで簡単に吸入できる製剤、噴射剤を使用しない地球環境にやさしい製剤、また喘息やCOPDの症状が起こった時に使用するために簡単な操作で、薬剤の残量が正確にわかる吸入製剤に対するニーズがあった。
大塚製薬ではこの課題に答えるために薬剤の残量がわかるドーズカウンターを装備したドライパウダー吸入式製剤「メプチンクリックヘラー10μg」を2005年に発売している。今回承認を取得した「メプチンスイングヘラー10μg吸入100回」は大塚製薬の連結子会社である大塚テクノ株式会社と共同開発し、高齢者や子供にも使いやすいように操作をより簡素化しただけではなく、どこでも使えるように小型化することで、より携帯しやすくした製剤である。販売は薬価収載され次第速やかに開始する予定である。
メプチン
「メプチン」は、大塚製薬が自社で開発したβ2刺激剤で、1980年に気管支拡張剤として気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫の効能・効果で発売している。発売以来、患者の幅広い年齢や病態に応じた使用場面に考慮し、錠剤、顆粒、シロップ、ドライシロップ、エアゾール、吸入液、吸入粉末剤の7剤形・11製剤を開発しており、現在、世界12か国・地域で販売されている。

「メプチン(R)スイングヘラー(R)10μg吸入100回」が国内承認
http://www.otsuka.co.jp/company/release/