「bumetanide」自閉症治療に
地中海神経生物学研究所のYehezkel Ben-Ari氏らは自閉症の幼児らへ高血圧症の薬剤の効果を検証している。
研究チームは30名の幼児自閉症患者を対象にした検証をすでに終え、現在はより多くの幼児を対象とし、自閉症の主要な特性を研究している。
現在、自閉症症状を治療する薬剤は存在するが、社会適合やコミュニケーション能力などの問題を解決するものはない。これらの症状に対する治療薬を開発しようとした88名のアメリカ在住の学童を対象にした実験は、失敗したか未だ実験中のままだ。
ネズミを対象とした実験で成果
Science誌に掲載された研究ではbumetanideと呼ばれる、高血圧症の水分貯留を治療するジェネリック利尿薬が自閉症の症状に効果があるという説明がなされた。
研究者らは自閉症を発症させる遺伝子状態をもつネズミを対象におこなった実験で、この薬剤が妊娠中に投与されたとき、新しく生まれるネズミの自閉症発症を阻止することを発見した。
研究者らは、bumetanideは脳内で電気活動を刺激するアミノ酪酸を弱めているのではないかと考えている。Ben-Ari氏はアミノ酪酸を管理する"スイッチ"は、脳が通常通り発達するために出産間近に切り替えが行われなければならないのだと話した。
しかし、現在薬はまだ臨床で使用する段階にはいたっていない。Ben-Ari氏らはbumetanideの一種の特許を取得し、Neurochlore社をマルセイユに設立、幼児を対象に研究を行っている。

Drug shows promise in kids with autism, researchers say
http://www.usatoday.com/story/news/nation/2014/02/06/Oxytocin-Mediated GABA Inhibition During Delivery Attenuates Autism Pathogenesis in Rodent Offspring
http://www.sciencemag.org/content/343/6171/675Neurochlore
http://www.neurochlore.fr/