テルモの新止血剤
テルモは医療機関向けに、手術の際などに用いる止血剤である、ハイドロフィットを発売することを2014年1月30日に発表しました。この製品は三洋化成工業が製造し、テルモが販売するとのことです。
ハイドロフィットの特徴は、血液中の水分と反応することで皮膜を形成することができる点です。患者の血液凝固機能に頼ることなく、物理的に止血することができます。体内組織との接着性が高く、形成された皮膜は柔軟でかつ、弾力性があるため、心臓の拍動にも問題なく追随することができます。そのため、胸部大動脈や弓部分岐動脈における人工血管に対する置換手術を行う際に吻合部に用いることが期待されています。
ハイドロフィットのもう一つの特徴
この止血剤のもう一つの特徴は、患者の安全性に配慮している点です。生物由来素材を用いた止血剤は感染などのリスクがありますが、ハイドロフィットは非生物由来のウレタン素材を使用することで、このリスクを回避することができる新しいタイプの止血剤です。この止血剤は医療現場向けであることから、あらかじめ注射器に止血剤が充填されている、いわゆるプレフィルドタイプの商品で、医療現場の効率性を高めるメリットも有しています。
テルモは、医療の安全性・効率性を高めるという考えの一環として本製品を開発し、2016年度までには1億円の売り上げを目指しています。

テルモ プレスリリース
http://www.terumo.co.jp/