ダコミチニブの第3相試験結果を発表
ファイザー株式会社は、不可逆的汎HER(ヒト上皮細胞増殖因子受容体)阻害薬であるダコミチニブの進行非小細胞肺がんに対する2つの無作為化第3相試験の結果を1月27日付で発表した。
(画像はホームページより)
現在も第3相試験ARCHER 1050試験を実施中
両試験は、前治療歴を有する進行NSCLC患者に対するダコミチニブの評価を検証するものである。化学療法歴を有する進行NSCLC患者について対して、患者集団全体とKRAS野生型を有する患者集団についてエルロチニブと比較してダコミチニブを評価するARCHER 1009試験では、エルロチニブと比較してダコミチニブがPFSを改善することを証明できなかった。
また、化学療法およびEGFR阻害薬による前治療歴がある局所進行性または転移性NSCLCを対象とした二重盲検、プラセボ対照、無作為化試験であるBR.26試験では、プラセボ群と比較して全生存期間(OS)の延長が確認できなかった。
BR.26試験のチーフであり、McMaster 大学オンコロジー部門の准教授およびJuravinski Cancer Centre(カナダ・オンタリオ州ハミルトン)のメディカルオンコロジストであるPeter Ellis医師は、
「BR.26試験においてダコミチニブを評価する機会があったことを嬉しく思います。本試験が主要評価項目を達成できなかったことは残念ですが、ARCHER 1050試験においてダコミチニブの評価を継続していくというファイザー社の決定を支持しています」
と述べている。
現在は第3相試験であるARCHER 1050試験を実施しており、ARCHER 1009試験およびBR.26試験とは異なる前治療歴のないEGFR遺伝子変異を有する進行NSCLC患者を対象にダコミチニブとゲフィチニブを比較し、ダコミチニブのPFSを評価するという。本試験は2015年に結果が出ることが期待されているとのこと。
世界のがん患者のための革新的な治療選択肢の発見、研究、開発に注力、ファイザーオンコロジー
ファイザーオンコロジーは世界のがん患者のための、革新的な治療選択肢の発見、研究、開発に注力している。適切な医薬品を適切な患者さんに適切なタイミングで届けることを使命とし、学術機関、個人研究者、共同研究グループ、政府、技術提携先などと協力しながら、画期的な医薬品によるがんの治癒、コントロールに取り組んでいるという。

プレスリリース
http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/