鎌状赤血球病患者の動脈閉そくを治療
セントルイス大学の研究者らはヤンセン社製abciximab(製品名:ReoPro)が小児や若年成人の鎌状赤血球病の痛み治療に利用できるか調査を行う。abciximabは現在、血管形成術を受けている心臓病患者の動脈閉そくを開くために利用されている。
「鎌状赤血球病は耐え難いほどの痛みをともないます。急性発作をおこすと入院を免れません」(ウィリアム・フェルグソン――プレスリリースより)
鎌状赤血球病とは
鎌状赤血球病の発作は狭い血管内で血液が凝固し、臓器に送られる血液の流れが妨げられたときにおこる。健康な赤血球は柔軟性のあるドーナツのような形をしており、小さな血管内もスムーズに流れることができる。しかし、三日月形をしている鎌状赤血球病患者の赤血球は、鋭い端が血管に引っ掛かって集積し、栓をしてしまう。
研究内容
調査には5歳から25歳まで、100名の患者の参加をつのる予定。参加者は、鎌状赤血球病発作により入院してから16時間以内に標準的治療の他に半数が調査薬を処方され、他半数がプラシーボ薬を処方される。
クオリティ・オブ・ライフへの影響
研究者らは参加者の入院時間を記録する。参加者は経口薬より痛みが緩和されると退院することができ、退院後一週間から十日にかけて血液学者の訪問を受ける。
さらに、フェルグソン氏は鎌状赤血球病が患者のクオリティ・オブ・ライフに影響を与えると話した。
「一年に何度も発作をおこして入院を繰り返すと、学校に通ったり仕事を続けたりすることが難しくなります」(ウィリアム・フェルグソン――プレスリリースより)

SLU Researchers Study Therapy to Relieve Sickle Cell Pain
http://www.slu.edu/rel-news-sickle-cell-trial-114