ワルファリンに取って代わるか?
第一三共株式会社は1月8日、抗凝固剤(経口FXa阻害剤)エドキサバンの販売承認申請を、欧州医薬品庁に対し行ったことを発表した。
同薬は、非弁膜症性心房細動に伴う脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制、深部静脈血栓症、肺塞栓症患者における静脈血栓塞栓症の治療および再発抑制に適応するもの。日本では2013年12月19日にすでに承認申請を行っている。今後は米国においても同様の申請を行う予定だ。
臨床試験概要
臨床試験では、別の抗凝固剤ワルファリンとの無作為な二重盲検比較が行われた。
非弁膜症性心房細動に伴う脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制に関しては、エドキサバンを1日1回、60mgおよび30mg経口投与した場合の有効性と安全性の検証・評価を行った。深部静脈血栓症、肺塞栓症患者における静脈血栓塞栓症の治療および再発抑制に関しては、同薬を1日1回、60mg経口投与した場合の有効性と安全性の検証・評価を行った。
両試験ともに、エドキサバンの抑制効果はワルファリンに劣ることはなく、重大な出血の発現においてはワルファリンに対し優越性を示した。
心房細動・静脈血栓塞栓症とは
心房細動は、心房が小刻みに震え、心房の収縮・拡張が不規則になる不整脈の一種。脳卒中を引き起こすことのある疾患だ。心房細動患者の場合、そうでない人と比べて3~5倍脳卒中リスクが高まると言われる。また、心房細動を伴う脳卒中患者の死亡率は、そうでない患者の約2倍となっている。
静脈血栓塞栓症は、深部静脈に血栓ができ、その一部が肺に流れて肺動脈を塞いでしまう疾患。エコノミー症候群としても知られている。今回承認申請を行ったエドキサバンは、日本において膝関節前置換手術などの下肢整形外科手術を行った患者に対する静脈血栓塞栓症の発症抑制への適応で、2011年7月よりリクシアナという製品名で販売されている。

第一三共株式会社2014年プレスリリース
http://www.daiichisankyo.co.jp/news/detail/006061.html