すい臓がん治療に向けてリードプロダクトERYASPの対象範囲を拡大
フランスのバイオ製薬企業エリテック・ファーマ(以下、エリテック)が、開発計画を更新してリードプロダクトERYASPの対象範囲を固形腫瘍の広い分野へと広げ、すい臓がんにおける第II相試験の開始を発表した。
エリテックは2004年にリヨンで創設され、急性白血病や医療ニーズが満たされていないその他の腫瘍適応症を対象に革新的治療薬の開発に取り組み、がん患者、特に急性白血病と一部の固形腫瘍の患者に新たな展望を提供している。
すい臓がんについて
すい臓がんとはすい臓の組織に悪性細胞が発見される疾患である。
日本国内のすい臓がんの患者は年々増加傾向にあり、厚生労働省の人口動態調査によると、2009年の日本におけるすい臓がん死亡者数は男性で5位、女性で6位であった。
早期の状態では自覚症状が少ないため、早期発見が非常に困難な上に進行が早く、きわめて予後が悪い。また治療が最も難しいがんのひとつとも言われている。
欧州・米国では既にすい臓がん治療に使用
エリテックは末期すい臓がんにおける第I相試験において、既にERYASPの忍容性の確認を成功させている。今回、すい臓がんに対する第2選択療法としての第II相試験を実施することを決定し、患者約100人を対象とした試験にて、最善の標準治療に ERYASPを追加した療法と、標準治療の単独療法との比較を、2対1の割合のランダム割り付けで実施するという。
ERYASPは欧州と米国で既にすい臓がん治療を目的に希少薬の指定を受けている。

エリテック プレスリリース
http://erytech.com/