大阪大学、新しい抗がん効果を持つVEGF-DNAワクチンの開発に成功
アンジェスMGは大阪大学と新しい抗がん効果を持つ、VEGF-DNAワクチンに関する特許を共同で出願中であるが、今回このVEGF-DNAワクチンに関してイギリスの科学誌Natureが運営するオンラインジャーナルであるScientific Reportに掲載されたことを発表した。
その内容は、大阪大学の森下竜一教授、中神啓徳教授らの研究グループがモデル動物を使用した実験において、高い有用性を実証したものである。
研究結果
今回の大阪大学の研究では、開発したVEGF-DNAワクチンをがんにかかっている実験マウスに投与したところ、VEGFに対しての抗体がVEGFの活性を中和し、その結果腫瘍の増大を抑制し、かつ生存期間を延長させることを発見した。
DNAワクチンと開発の背景
DNAワクチンは一般的に抗体医薬と比較して、安価で効果が長持ちするという長所がある。今回の研究成果によって、VEGFをターゲットとしている既存の抗体医薬品と比較して、安価で投与回数が少ない医薬品の開発が実現化する可能性が出てきた。
がん細胞の多くは体内で新たな血管を造りながら増殖し、転移を繰り返すことによって悪化していくが、それに関わっているのが血管内皮細胞増殖因子(VEGF)である。
その機能をストップすることが大腸がんをはじめとする様々ながんに対して有効であることは既に解明されており、既にVEGFをターゲットとする抗体医薬品も製品化されている。
だが、この抗体医薬品は効果であるだけではなく、効果の持続が短いために頻繁に投与することが必要であることが課題とされていた。抗体医薬品の市場は現在数千億円規模の市場となっており、この市場はさらに大型化すると期待されている。

アンジェスMGニュースリリース
http://www.anges-mg.com/pdf.php?pdf=100611.pdf大阪大学
http://www.osaka-u.ac.jp/jaアンジェスMG株式会社
http://www.anges-mg.com/index.php