ダサチニブとレトロゾールの併用療法、乳がん治療に
新たに発見された薬剤の組み合わせが転移性乳がんの進行を抑えたとサン・アントニオ乳がんシンポジウムで発表された。シンポジウムは10日から14日まで開催されている。
研究結果によると、ダサチニブを標準の抗ホルモン療法であるレトロゾールと併用すると、ホルモン受容体陽性HER2陰性転移性乳がん患者の疾患進行までの期間を2倍にした。
srcをブロックし、転移を抑止
ダサチニブはすでに米国食品医薬品局から慢性骨髄性白血病の治療薬として認可をうけている。最近になって骨中への乳がんの転移に関わっている可能性があると発見された、srcと呼ばれるタンパク質のはたらきを抑えることによって疾患を治療する。
「いくつかの研究で高レベルのsrcの働きが乳がんの骨転移に関係していることを発見したため、我々は転移性乳がんの一次治療としてレトロゾールとダサチニブの併用が臨床的利益や無進行生存率を向上させるか知りたかったのです」(米国オンコロジー、ロッキー山脈がんセンター乳腫瘍学者デヴ・ポール氏――プレス・リリースより)
臨床結果ではレトロゾール治療にダサチニブを加えても、臨床利益率の向上は見られなかった。しかし、この併用療法は無進行生存率をげっきてきに向上させた。併用療法を受けた患者の無進行生存率は20.1カ月で、レトロゾ-ル治療のみを受けた患者にくらべ、10カ月ほど長かった。

New Drug Combination Delayed Disease Progression for Subgroup of Women With Metastatic Breast Cancer
http://www.sciencedaily.com/releases/2013/12/San Antonio Breast Cancer Symposium
http://www.sabcs.org/