乾癬治療薬としてセクキヌマブを承認申請
ノバルティスファーマ株式会社は、尋常性乾癬および関節症性乾癬の治療薬として、完全ヒト型抗ヒトIL-17Aモノクローナル抗体であるセクキヌマブ(開発コード:AIN457)の製造販売承認の申請を行ったことを発表した。
今回の承認申請が、セクキヌマブがインターロイキン-17A(以下、IL-17A)をターゲットとした薬剤として、国内で初めてのものとなる。
IL-17A
IL-17Aは、乾癬に罹患した患者の皮膚に高い濃度で存在し、発症において中心的な役割を果たすと考えられている炎症性サイトカインである。
セクキヌマブは、IL-17Aに選択的に結合し、完全ヒト型抗ヒトIL-17Aモノクローナル抗体として、IL-17Aの生物活性を中和する。
この活動によって関節や皮膚の炎症を抑制すると考えられている。新規作用機序の薬剤であるセクキヌマブは、尋常性乾癬および関節症性乾癬の治療薬として、新たな治療の選択肢となる可能性を持っている。
乾癬
乾癬は、慢性再発性炎症性疾患であり、青年期から中年期に多く発症し、その病因はいまだ不明である。患者は、世界の人口の約3%にあたる約1億2,500万人、日本では人口の0.3%にあたる43万人といわれている。
乾癬患者の大半が皮膚以外に症状を伴わない尋常性乾癬である。乾癬の諸症状の他に、全身の関節に炎症、こわばり、変形などが生じる関節症性乾癬の患者のケースは、関節の変形は不可逆性であるため、より積極的な治療が不可欠である。
乾癬患者の中には、外用療法、光線療法、または全身療法といった既存の治療法では、十分な効果が得られないことや、臓器障害および催奇形性などの安全性の観点からみて、患者によって治療の選択肢が限られることもある。
また、既存の生物学的製剤を使用している場合でも、効果が得られるまでに時間を要すケース、「ほぼ寛解」の状態に至らない患者や、効果が持続しない患者も存在する。中等症から重症の尋常性乾癬患者の40~50%は、現在の治療に満足していないとされており、皮疹や痛みなどの症状を速やかにかつ持続性が高い改善効果を持つ新たな治療薬が期待されている。
ノバルティスは皮膚科領域において、治療ニーズが高く求められているにもかかわらず、いまだ、みたされていない重症皮膚疾患に対する革新的な治療薬の開発に取り組んでいくという。

ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース
http://www.novartis.co.jp/news/2013/pr20131226.html