松田正教授らの研究グループにより
北海道大学大学院薬学研究院教授の松田正氏らの研究グループは乾癬の進展に関与する細胞内蛋白「Tyk2」を同定し、Tyk2活性を抑制する低分子阻害剤が乾癬の進展を抑制することを明らかにした。この研究成果は専門雑誌・International ImmunologyのAdvance Accessで12月12日、公開された。
(画像はプレスリリースより)
乾癬は体の中でも特に摩擦や接触などによる刺激を多く受ける皮膚に、鱗屑が付き紅斑が続く自己免疫性の皮膚疾患。Tリンパ球が攻撃の主体で、中でもTh1細胞やTh17細胞と呼ばれるT細胞集団が乾癬では優位とされる。活性化されたTリンパ球より分泌されるサイトカイン、腫瘍壊死因子(TNF)やインターロイキン 12(IL-12)、インターフェロンガンマなどの刺激により皮膚が厚くなり、紅くなる。
Tyk2欠損マウスを用いて
研究グループはTh1・Th17細胞の分化に関与するIL-12やIL-23などのサイトカインの細胞内シグナル伝達において重要な分子のひとつ「Tyrosine kinase 2(Tyk2)」の働きについて研究を進めてきた。今回の研究ではTyk2欠損マウスを用いてTyk2蛋白が自己免疫性の皮膚疾患や乾癬の発症、増加悪化にどのように働くのかを検討した。
その結果、Tyk2欠損マウスでは乾癬の進展が観察されないこと、Tyk2活性を抑制する低分子阻害剤は乾癬の進展を抑制することを見いだした。

北海道大学 プレスリリース
http://www.hokudai.ac.jp/news/131218_pr_pharm.pdf