販売承認の推奨を受けた経緯
大塚製薬が欧州の医薬品委員会に再審査要請をしていた「テラマニド」について、多剤耐性結核の治療薬として販売承認を推奨することが発表された。正式に承認されれば、欧州における抗結核薬としては約40年ぶりの新薬となる。現在の欧州では、多剤耐性結核は希少疾病として指定されている。
(画像はプレスリリースより)
臨床試験の進行について
現在、大塚製薬において多剤耐性結核患者を対象とした「デラマニド」のグローバル臨床第III相試験が進行中である。同試験にはIV感染症例の多剤耐性患者も参加しており、OBRへの上乗せによる「デラマニド」の6カ月間の治療効果を検証している。
現段階で、エストニア、ラトビア、リトアニア、モルドバ、ペル-、フィリピン、南アフリカの国々で症例登録が完了となっている。また同試験の他に、小児の多剤耐性結核患者を対象とした臨床試験についても症例登録が開始されており、小児・乳児に使用可能な「デラマニド」の崩壊錠の生物学的同等性試験も開始予定である。
関係者からのコメント
大塚製薬の抗結核薬グローバルプロジェクトリーダーである吉武益広専務執行役員は、今回の承認推奨について次のように述べている。
多剤耐性結核は、過去20年間に結核治療の第一選択薬に対する耐性菌が著しく増加していることから世界の公衆衛生上の脅威となっている。多剤耐性結核の新しい治療選択肢を必要とする欧州の患者さんにもうすぐ『デラマニド』をお届けできる日が近づいたことは大変嬉しく、弊社の結核事業も一層推進していくことになる。(引用:プレスリリースより)
今後の展開と販売承認の是非について
現在進行中である臨床第III相試験(本年11月に全症例の組み入れが完了)に加え、用法・用量をより適切なものにするため、新たな臨床試験を実施していく計画となっている。
今回のCHMPの承認推奨をもとに、来年初旬に欧州委員会で販売承認についての最終的な判断が行われる見通しである。
大塚製薬について
結核の研究では30年以上取り組んでいる実績があり、結核治療薬の研究開発及び結核の蔓延する国々での治験実施にあたり、各国の治験実施施設と協力して治療のための様々な環境整備を行っている。

多剤耐性結核の治療薬として開発中の「デラマニド」
欧州医薬品委員会が販売承認を推奨
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