エドキサバンの臨床試験結果発表について
第一三共は、自社が創製した抗凝固剤、エドキサバンを用いたがん患者の治療に関する解析結果をアメリカ・ニューオリンズにて開催されている米国血液学会のおいて発表しました。
この解析には、37カ国、439の医療機関において登録された8,292人の患者の中から、低分子ヘパリンの長期投与が予定されていない、がん罹患患者及びがん既往歴のある患者、合計771名を対象にして、エドキサバンを1日1回経口投与した際の有効性及び安全性を検証したものです。
ワルファリンとの有効性・安全性比較
比較対照としてワルファリンを用い、有効性の主要評価項目であるVTE(静脈血栓塞栓症)の発現率の結果は、エドキサバン群で3.7%、ワルファリン群で7.1%となり、エドキサバン群が低位となり、より高い有効性が明らかとなりました。
また、安全性に関しては、臨床上重要な出血の発現率を確認したところ、エドキサバン群が12.4%であったのに対し、ワルファリン群は18.8%と、こちらもエドキサバンの方がより高い安全性を示しました。
今回の解析結果の評価
オクラホマ大学ヘルスサイエンスセンター勤務で、この臨床試験の運営委員会メンバーであるGary Raskob博士は、このVTEががん患者によく診られる、再発率の高い合併症の一つで、今回の解析によって、エドキサバンががん患者のVTE治療及び再発の抑制に関するベネフィットが示唆されたと述べています。
VTEはがん患者における死亡及び機能不全の主な要因となっており、がんの合併症を有するVTE患者にあらたな治療法を提供できる可能性を秘めているといえます。

第一三共 プレスリリース
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