共同開発の内容と現状
大塚製薬株式会社(以下「大塚製薬」)とH.ルンドベックA/S(以下「ルンドベック社」)が、アルツハイマー型認知症に対して研究中であるワクチン候補「Lu AF20513」を共同開発することについて合意した。
(画像はプレスリリースより)
両社は、中枢神経領域の治療薬に注力するためのグローバルアライアンスを提携しており、アルツハイマー型認知症の症状改善薬として新規作用機序を持つ「ブレクスピプラゾール」と「Lu AE58054」の2剤を、それぞれフェーズ3臨床開発中である。
「Lu AE58054」は、作用機序が世界初でファーストインクラスとなる選択的セロトニン5-HT6受容体拮抗薬であり、従来のアルツハイマー型認知症治療の標準薬であるドネペジルを服薬している患者に併用する試験として、グローバル臨床第III相試験を実施している。
そして新たに、病態進展を抑制するワクチン候補として「Lu AF20513」について契約提携した後、フェーズ1を開始したことを発表した。アルツハイマー型認知症の克服を目標に、対症療法だけではなく原因療法も含めた包括的な治療薬開発を目指すことを明言している。
Lu AF20513について
「Lu AF20513」は、アルツハイマー型認知症の原因となる脳内のβアミロイドの凝集・沈着を抑え、効率よく抗体を産生し免疫反応が高まるよう独自に設計されているペプチドワクチンである。
多くの成人で獲得している、破傷風菌の免疫を利用して免疫効果を高める工夫も加えられている。安全面においては、他のアルツハイマー病ワクチンで引き起こされた急性髄膜脳炎の発生リスクを減らすよう設計されている。2014年に臨床段階に入る予定である。
今後の共同開発の方向性
両社における取り組みは、アルツハイマー型認知症予備軍の軽度認知障害の段階からワクチンを接種することで、その後の病態進展の抑制を目的としている。
大塚製薬について
世界の患者に貢献する新薬を提供することを理念としており、その研究開発を、日本・米国・中国の研究拠点と、米国・欧州・日本・韓国・中国に拠点を持つ臨床開発ネットワークを通じて行っている。

大塚製薬株式会社 プレスリリース
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