癌による突出痛に有効
協和発酵キリン株式会社と久光製薬株式会社は、12月12日より癌疼痛治療剤のアブストラル(R)舌下錠を発売開始することを発表した。
このアブストラル(R)舌下錠の一般名はフェンタニルクエン酸塩で、オレクソ社から導入され、海外では「Abstral(R)」といった製品名で販売されている。
また、ヨーロッパでは、協和発酵キリン子会社であるプロストラカン社が、「Abstral(R)」という製品名で販売している。
同剤に含まれる有効成分フェンタニルを舌下に投与することにより、吸収がスピーディーに行われ、鎮痛効果をもたらす。
それによって、癌が引き起こす持続的な痛みを管理する時に起こる、突出痛と呼ばれる急激な痛みへの有効な治療剤となる。
協和発酵キリンと久光製薬の共同販売
同剤は100μg、200μg、400μgの3種類があり、1箱あたり、それぞれ40錠入りとなっている。
用法は、通常、成人には1回の突出痛に対して、フェンタニル100μgを開始用量として舌下投与する。
国内での臨床試験で、アブストラル(R)の有効性および安全性が認められ、2013年9月20日に製造販売承認が下り、2013年11月19日に薬価基準収載され、今回の販売開始につながった。
協和発酵キリンと久光製薬は、2010年2月に同剤の国内での共同販売契約を締結した。そのため、発売後の製品流通は、1ブランド2チャネルという形で、両社それぞれが行う。

協和発酵キリン株式会社 ニュースリリース
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