新たに「MARCNS」を適応菌種に
「バンコマイシンに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)」ならびに、「バンコマイシンに感性のペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)」などの殺菌や、感染性の心内膜炎、骨髄炎、肺炎などを適応症としたペプチド系抗生物質「塩酸バンコマイシン点滴静注用0.5g(一般名:バンコマイシン塩酸塩)」。
その同剤について塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功)は、2013年11月14日、適応菌種として「バンコマイシンに感性のメチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(MRCNS)」を、また適応症として、敗血症、感染性心内膜炎、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、骨髄炎、関節炎、腹膜炎、化膿性髄膜炎に加え、「MRSA又はMRCNS感染が疑われる発熱性好中球減少症」などをそれぞれ追加する公知申請を行ったと明らかにした。
感作作用のある患者に有効な選択肢
通常、MARCNSの治療には、第1選択薬としてペニシリン系、セフェム系の抗生物質が使用される。しかし、これらにアレルギー反応を持つ患者に対しては、バンコマイシンの投与が標準的な治療として行われていたという現状があった。
そういった背景から、2010年11月10日に開催された「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、厚労省が同社に開発を要請。
国内外において、すでに広く行われている治療法だけに、2013年10月18日に開催された「薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会」での事前評価でも、今回の追加適応の公知申請が妥当であると判断。改めて申請される運びとなった。
同社は、今回の承認申請により「塩酸バンコマイシン点滴静注用 0.5g」が患者や医療従事者にとって、新たな治療の選択肢となることを期待するとともに、今後も引き続き未承認薬・適応外薬の解消に協力し、貢献していくとした。

「塩野義製薬株式会社 ニュースリリース」
http://www.shionogi.co.jp