COPDに新治療薬
11月20日、ノバルティス ファーマ株式会社は、COPD治療薬「ウルティブロ吸入用カプセル」の発売を開始した。デュアルブロンコダイレーター(2通りの作用を持つ気管支拡張剤)が日本で発売されるのはこれが初めてとなる。
(画像はプレスリリースより)
どんな薬?
今回発売されたウルティブロは、すでにノバルティスが販売している「シーブリ」と「オンブレス」を合わせたもの。1日1回吸入する。
シーブリは気管支収縮を抑制する抗コリン薬、オンブレスは気管支拡張を促すβ2刺激薬で、どちらも長時間作用型で効果が現れるのが早い、という特徴を持つ。臨床試験では、1日1回の投与による24時間の呼吸改善効果が、どちらも半年以上持続することが認められている。
患者の負担軽く
COPD治療では、2つ以上の薬を併用する場合が多い。それぞれ吸入回数が違う、吸入器をいくつも持たなければいけないなど、患者は煩わしさを感じる。今回発売されたウルティブロは、吸入回数が1日1回、薬も1種類で済む。仮に1日2回吸入と、1日3回吸入の薬を併用する場合と比べると、薬の服用がぐっと楽になるのがよく分かる。
使用する吸入器は抵抗が少ないタイプで、呼吸機能が低下している患者でも吸入しやすい。さらに、カプセルの中身が見える、吸入時にカプセルが転がる音がする、甘みを感じられるなど、きちんと吸入できたか確認しやすい設計になっている。
生活に重大な支障をきたし、進行すれば死に至る可能性もあるCOPD。最近はこうした患者目線の薬も増え、より治療しやすい環境ができつつある。今後、未治療患者が減少していくことを期待したい。

ノバルティス ファーマ 2013年プレスリリース
http://www.novartis.co.jp/news/2013/pr20131120.html