共同研究契約
エーザイ株式会社は、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学の共同研究施設である Broad Instituteと、顧みられない熱帯病(NTDs)および結核に対する新薬開発に向けた共同研究契約を締結した。本共同研究契約のもと、両者は、Broad Instituteのライブラリーから同定された化合物の最適化を行い、協力してNTDsおよび結核に対する新薬開発を行うこととなる。最初のプロジェクトとして、NTDsの一つであるシャーガス病を対象疾患とすることを決定した。
シャーガス病
シャーガス病はサシガメ(ビンチューカ)の咬傷によって感染する疾患で、特にラテンアメリカやカリブ諸国の貧困地域に多く蔓延しており、約8百万人が感染し、1億人が蔓延地域に暮らしているとされている。ラテンアメリカでは、毎年、約14,000人がシャーガス病により亡くなっており、新薬の開発が強く望まれている。
GHIT Fundの助成金交付対象
また、シャーガス病に関する本プロジェクトは、一般社団法人グローバルヘルス技術振興基金(以下、GHIT Fund)による助成金交付対象として採択された。GHIT Fundとは、開発途上国等で蔓延する感染症の制圧に向けた日本発の新薬開発を推進する国際的非営利組織である。今後、両者は、GHIT Fundからの助成金も活用して、本共同研究プロジェクトを推進していくこととする。
エーザイは、新興国・開発途上国の人々の健康福祉の向上に貢献し、これらの国々の経済発展や中間所得層の拡大に寄与することは、将来に向けた長期的な投資と位置づけ、NTDsを含む感染症に対する医薬品アクセス問題に継続的に取り組んでいくという。新薬の研究開発においては、Drugs for Neglected Diseases initiative (DNDi)やセービンワクチン研究所などの国際的な非営利団体やブラジルの国立研究機関オズワルドクルス財団ともパートナーシップを組み、シャーガス病やリーシュマニア症といったNTDsやマラリアに対する新薬開発を進めていく。それによって、引き続き新興国・開発途上国の患者とその家族のベネフィット向上に貢献を目指すとしている。

エーザイ株式会社
http://www.eisai.co.jp/index.htmlニュースリリース
http://www.eisai.co.jp/news/news201364.html