進行すい臓がんの新しい治療法となるか
札幌医科大学の研究グループは、「有効な治療法のない進行すい臓がん患者に対するサバイビン2Bペプチド・インターフェロン併用療法の第II相臨床試験」を札幌医科大学附属病院にて10月16日より開始したと発表した。外科手術ができず、すでに標準的抗がん剤治療を受けているが有効性が見られない患者を対象とした試験となる。
(画像はプレスリリースより)
「サバイビン2B」とは
サバイビン2Bとは、がん抗原ペプチドの一種だ。がん細胞を死滅させるためには、リンパ球による攻撃が必要となる。その際、目印となるのががん抗原ペプチドだ。「サバイビン2B」を投与することで、リンパ球に刺激を与えて増やし、活性化させてがん細胞を死滅させよう、というのが今回の試験の中身となる。
インターフェロンを併用するのはなぜ?
インターフェロンには、免疫細胞の一種である樹状細胞を活性化させる働きがある。樹状細胞は、リンパ球に対しがん細胞を攻撃するように情報を渡す役割を持っているため、併用して投与することでより効果を高めるねらいだ。
治療が難しいすい臓がん
すい臓がんは、自覚できる初期症状がほとんどなく発見しづらいため、見つかったときにはすでに末期で外科手術できない、というケースも多い。放射線や抗がん剤による治療はできても、それで根治させることは今のところ不可能だ。
今回の研究成果が実用化されれば、これまでの治療法では効果がなかった患者に有効なものとなるかもしれない。今後の研究結果に期待したい。

札幌医科大学プレスリリース
http://web.sapmed.ac.jp/jp/news/press/03bqho00002