エーザイ創製の新規低分子化合物
エーザイ株式会社と米国Purdue Pharma L.P.(以下「Purdue社」)は、2018年3月7日、「レンボレキサント」の複数の臨床試験において良好なトップライン結果を得たと発表した。
「レンボレキサント」は、エーザイ創製の新規低分子化合物であり、睡眠と覚醒を調整する薬剤。複数の睡眠障がいを対象とした臨床試験が、現在進行している。
オレキシンによる神経伝達を阻害
不眠障がいは、最も一般的な睡眠障がいであり、入眠困難か睡眠維持あるいはその両方に苦しむ事が特徴となる。睡眠と炎症マーカーの間には関連性がある事が示唆されており、死亡率・多くの疾患・疾患のリスク因子などに関しても、睡眠は関連があるといわれている。
「レンボレキサント」は、オレキシン受容体の2種のサブタイプ(オレキシン1および2受容体)に対して、オレキシンと競合的に結合する拮抗剤。不眠障がいにおいては、正常な睡眠時には抑制されているオレキシン作動性神経が、正常に働いていない可能性がある。同剤は、オレキシンによる神経伝達を阻害し、睡眠導入や睡眠維持をはかる。
主要評価項目および主な副次評価項目を達成
臨床第3相試験であるSUNRISE1試験の速報結果において「レンボレキサント」は、対照薬であるゾルピデム徐放性製剤およびプラセボに対して、主要評価項目および主な副次評価項目を達成。評価した睡眠に関わる全てのパラメータについて、有意に優れている事が検証されたという。
両社は今後も、同剤の開発研究を通じて、不眠障がいの患者とその家族のベネフィット向上に貢献するとしている。
(画像は写真素材 足成より)

「レンボレキサント」とゾルピデム徐放性製剤の実薬対照試験で良好なトップライン結果を取得 - エーザイ株式会社
http://www.eisai.co.jp/news/news201817pdf.pdf