前治療歴のある進行非小細胞肺がんが対象
ファイザー株式会社とメルクセローノ株式会社は、2018年3月7日、「アベルマブ」の第3相JAVELIN Lung 200試験について、最新情報を発表した。
この発表は、独メルク社と米ファイザー社が同年2月15日に発表した英語版プレスリリースを翻訳したもの。JAVELIN Lung 200試験は、前治療歴のある進行非小細胞肺がんを対象として、「アベルマブ」と「ドセタキセル」を比較するもの。
肺がんの80%から85%を占める進行非小細胞肺がん
がん関連死において肺がんは、世界的に見ると男性でトップの死因となっており、女性で2番目に多い。その死亡数は、大腸がん・乳がん・前立腺がんを合わせたものより多くなっている。非小細胞肺がんは、肺がんの中でも最も多く見られるタイプの疾患であり、全肺がんの80%から85%を占める。
「アベルマブ」は、PD-L1と呼ばれるタンパク質を特異的に阻害するヒト型抗体。PD-L1に結合することにより、抑制されていたT細胞を介した免疫反応による抗腫瘍作用を活性化させる作用を持つ。独メルク社と米ファイザー社は、同剤の共同開発について、戦略的提携の締結を2014年11月に発表している。
詳細に解析し、学会にて発表する予定
JAVELIN Lung 200試験において「アベルマブ」は、主要評価項目であるPD-L1陽性(1%以上)の腫瘍を有する患者群に対する全生存期間(OS)について、改善を示さなかった。しかし、PD-L1中等度陽性(50%以上)およびPD-L1強陽性(80%以上)の患者においては、「アベルマブ」投与群は化学療法群と比べてOSを改善している。
独メルク社と米ファイザー社は今後、JAVELIN Lung 200試験に関するデータをより詳細に解析し、学会にて発表する予定だという。
(画像はファイザーの公式ホームページより)

アベルマブ単剤療法による第3相JAVELIN Lung 200試験の最新情報を発表 - ファイザー株式会社
http://www.pfizer.co.jp/