5種類のペプチドが早期大腸がん検査に有用
公立大学法人京都府立医科大学の研究グループとウシオ電機株式会社の連結子会社株式会社プロトセラのグループは3月8日、新しい質量分析法により発見された5種類のペプチドが、早期大腸がんの血清スクリーニング検査に有用であることを明らかにした、と発表した。
新しい質量分析法とは、プロトセラが保有する特許「BLOTCHIP-MS法」である。
ステージ2までの早期大腸がんを非侵襲的に診断可能
大腸がんは、スクリーニング検査による早期発見で、根治が可能な疾患である。
プロトセラは、早期大腸がんを非侵襲的に診断する方法として、BLOTCHIP-MS法を開発し、大腸がん患者の血清から特異的に変化するペプチド群を発見・同定した。そのうち、5種類の組合せが大腸がんの検出に有用であることを発表した。
今回、京都府立医大病院外来受診者で、ステージ1~4の大腸がん患者56人、健常者60人、大腸腺腫患者60人を対象に検査を行った。
各患者より採取した血清は、プロトセラ製の「ProtoKey大腸がんリスク検査キット」で処理後、液体クロマトグラフィー質量分析法で5種類のペプチドを測定し、0~1のリスクインデックス値を算出し、既報のスクリーニング成績と比較した。
その結果、リスクインデックス値は、大腸がん患者の各ステージで健常者より有意に高い値を示し、ステージに従って上昇した。
特に、手術で根治可能なステージ2まで有意な上昇が認められ、早い段階で大腸がんを非侵襲的に診断できることが判明した、とのこと。
今回開発したスクリーニング検査法により、大腸がんを根治可能な早い段階での診断が可能となり、今後大腸がんによる死亡率が大幅に減少する可能性がある、という。
(画像はプレスリリースより)

ウシオ電機株式会社のニュースリリース
http://www.ushio.co.jp/jp/news/1003/2018-2018/500302.html