承認申請、世界に先駆け日本で
米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が、「経口薬のみによるC型慢性肝炎の治療薬」の製造販売承認を、日本において申請したことを、11月6日付けで発表した。
これまでの治療薬とは異なる新しいもので、これまで主流となっているインターフェロンやリバビリンを使用せず、経口薬のみで治療を行う薬として世界初となる。
臨床試験データ
今回発表された治療薬は、主にジェノタイプ1b型のC型慢性肝炎患者を対象としている。
承認申請にあたり、日本国内でジェノタイプ1b型のC型慢性肝炎患者に対する半年間の臨床試験を行った。試験では、本剤の他に2種類の経口治療薬が用いられた。
治験終了から半年後の検査で結果が陰性である割合は、インターフェロン治療不適格の患者で87.4%、インターフェロン、リバビリン無効の患者では80.5%と、高い数値を示した。また、65歳以上の高齢の患者においては、インターフェロン治療不適格の患者で91.9%、インターフェロン、リバビリン無効の患者では85.2%と、こちらも高い数値を示した。
治験終了から半年後の再発率も8.3%と低く、本剤の有効性を示している。
これまで治療が受けられなかった患者に希望
日本国内でのC型慢性肝炎の患者数はおよそ120万人。そのうち約70%が、従来の治療法では効果があまり得られないジェノタイプ1b型だ。さらに感染者には65歳以上の高齢者が多く、合併症などの危険を伴うため、インターフェロン治療ができないケースが多い。
今回発表された薬が承認されれば、いままで治療ができていなかった患者も治療を受けられるようになる。肝硬変や肝がんを引き起こし、死に至らしめることもあるC型肝炎。治療の幅が広がれば、病気におびえることもなく、回復後はまた元気に生活できるという希望が持てるだろう。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社2013年プレスリリース
http://www.bms.co.jp/press/20131106.html