アクロレインとは
タカラバイオ社は2013年12月16日から、生体にとって有害な化学物質であるアクロレインを検出するための研究用試薬を販売することを発表しました。
アクロレインはアルデヒドの一種で不飽和アルデヒドの種類の中では最も単純なものです。2-プロペナール、アクリルアルデヒド、プロペンアルデヒドとも呼ばれ、たばこの煙、排気ガスに含まれるほか、冷凍機探知剤、アルコール変性剤、そして殺菌剤などにも用いられています。近年の研究結果により、生体内での脂質の過酸化によって、このアクロレインが生成されることが明らかになりました。
アクロレインと血管系疾患との関係
こうした背景により、アクロレインの生体への影響に対する関心が高まり、現時点では、動脈硬化症患者の疾患部位、脳梗塞患者の血中においてアクロレインが検出されることが判明しています。こうした血管系疾患の疾患マーカーとしてアクロレインの検出はこの分野において有用なツールとして期待が高まっているのです。動脈硬化や脳梗塞による死亡者はガンによるものよりも多いと言われ、これらの病気の早期発見に、体内で生成されたアクロレインを利用することが非常に有益とされています。
タカラバイオ社が製品化した研究用試薬はタンパク質と結合したアクロレインを特異的に認識する抗体を用いて、検体中に含まれるアクロレインを2時間以内に測定することができます。その際の検出方法にはELISA法が用いられ、特異性の高い抗原抗体反応を利用することで、抗体が酵素反応に基づき発色・発光することをねらった方法です。

タカラバイオ株式会社
http://www.takara-bio.co.jp/news/2013/11/14.htm