革新的なグレリンレセプター作動薬
進行非小細胞肺がん患者における食欲不振ならびに、悪液質症候群の治療薬として期待される「anamorelin(アナモレリン)」。
スイスの製薬会社「Helsinn group(ヘルシン)」の革新的なグレリンレセプター作動薬で、1日1回経口投与のファーストインクラス(画期的医薬品)の新規薬剤としてその導入が待たれている。
そのアナモレリンについて、中外製薬の子会社である中外ファーマ・マーケティング・リミテッド(CPM)は、欧州3大医薬品市場における独占販売権をヘルシンから許諾されるライセンス契約を締結。
同契約によると、ヘルシンがすべての開発活動や、アナモレリン上市後の供給を担当し、また、規制当局との折衝や、臨床開発の責任を負う一方で、CPMは、ドイツ、フランス、ベネルクス、英国、アイルランドでの販売活動を実施する。
患者のQOL向上をサポート
現在、アナモレリンは、非小細胞肺がんにおける食欲不振・悪液質を対象に、第III相臨床試験を実施中。同がん患者を対象とした第II相臨床試験では、食欲の改善や、除脂肪体重の増加など、患者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)に好影響をもたらし、さらに安全性、忍容性も良好であることが確認されていた。
食欲不振や悪液質は、がん患者の半数以上が罹患する多因子性の疾患で、筋肉量や体重減少の一因となる、全身性の炎症、食物摂取量の減少および代謝の変化といった症状を発現し、QOLの低下や機能障害、さらには、生存期間の短縮を引き起こすと懸念されている。
また、良好な結果を示した第II相臨床試験の成績は、アムステルダムで開催された「ECCO/ESMO 2013」でも発表され、2011年第3四半期に開始された第III相臨床試験も、予定通り進んでいるという。

「中外製薬 ニュースリリース」
http://www.chugai-pharm.co.jp/