サノビオン社承認取得
大日本住友製薬株式会社の子会社であるサノビオン社は18歳以上の成人の部分転換発作の併用療法を対象として、米国で承認申請した抗てんかん剤「APTIOM」(一般名エスリカルバビゼン酢酸塩)について、米国食品医薬局(FDA)より承認を取得した。
アメリカにおけるてんかん
てんかんは、最も一般的な神経疾患の1つであり、アメリカ疾病管理予防センターによると、米国では約220万人の患者がいるとされている。
部分てんかん発作は、てんかんの発作のうちで最も多いタイプであり、新たにてんかんと診断された患者の60%に上るといわれている。
臨床試験内容
APTIOMの承認は、3つの大規模第3相臨床試験に基づいている。これらの試験はAPTIOMのライセンサーであるBial社と協同で実施されたグローバル試験であり、1~3種類の抗てんかん剤(カルバマゼピン、ラモトリジン、バルプロ酸、レベチラセタム)で十分にコントロールできてない部分てんかん発作の患者1400人以上が参加した。
この試験は部分てんかん発作を持つ患者にAPTIOMまたはプラセボを投与するグループに無作為に分類したプラセボ対象無作為二重盲検試験であった。
その結果、3つの試験において、APTIOMを投与した患者はプラセボを投与した患者と比較して有意な現象を示した。
アリゾナのメイヨークリニックに神経科の主任であり、てんかん基金専門委員会の議長でもあるジョセフ・シルヴァン氏は「部分てんかん発作の患者は、多くの場合、より良い発作コントロールのために、併用療法が必要であり、APTIOMは医療提供者やてんかん患者にとって安全性の高い重要な新しい治療選択肢となる」と語っている。
APTIOM概要
APTIOMは部分てんかん患者に対して、1日1回の服用で持続的な発作の減少効果が期待できる薬である。APTIOMは、FDAの審査において、米国麻薬取り締まり局の審査が必要となる規制物質と判定されなかったので、サノビオン社は2014年の4月から6月頃に発売を予定している。

大日本住友製薬株式会社
http://www.ds-pharma.co.jp/index.htmlニュースリリース
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