片頭痛の急性期治療用の経口治験薬
日本イーライリリー株式会社は、8月25日、片頭痛の急性期治療用の経口治験薬「Lasmiditan」が、2つめの第3相試験であるSPARTAN試験において主要評価項目を達成したと発表した。
この発表は、米国イーライリリー社が米国現地時間8月4日に発表したニュースリリースを翻訳したもの。
未だに疾患として認知が低い、片頭痛
片頭痛は、日常生活に支障をきたす神経系の疾患。悪心・嘔吐・光および音への感覚過敏・視覚的変化といった症状を伴い、重度の頭痛エピソードを繰り返す特徴がある。片頭痛研究財団によると、米国で片頭痛に関連する医療および生産性の損失コストは、年間約360億ドルに達すると推定できるという。しかし、未だ疾患の認知は低く、未治療のケースも多い。
「Lasmiditan」は、イーライリリー社が片頭痛急性期治療用に開発を進めているファースト・イン・クラスの化合物。三叉神経系に発現する5-HT1F受容体に対して選択的に働き、片頭痛の急性期治療を行うようデザインされている。
片頭痛が消失した割合が、プラセボ群より高かった
SPARTAN試験は、片頭痛の急性期治療のために経口投与した3用量での「Lasmiditan」の安全性および有効性を、プラセボと比較して評価する作為化二重盲検プラセボ対照グローバル試験。主要評価項目は、初回投与から2時間後に頭痛が消失した患者の割合。「Lasmiditan」投与群は全ての用量群で、片頭痛が消失した患者の割合がプラセボ群と比較して高かったという。
イーライリリー社は、試験から得られた詳細なデータを学会で来年中に発表し、査読審査のある専門誌に結果を投稿するとしている。
(画像は日本イーライリリーの公式ホームページより)

片頭痛の急性期治療に対するLasmiditanの第3相試験においてポジティブな結果が示された - 日本イーライリリー株式会社
https://www.lilly.co.jp/