「球脊髄性筋萎縮症」を適応として追加承認
武田薬品工業株式会社は8月28日、同社の「リュープリンSR(R)注射用キット11.25mg」(以下、リュープリンSR)が「球脊髄性筋萎縮症」(以下、SBMA)を適応として厚生労働省から追加承認されたことを発表した。
今回の承認によって、世界初のSBMAの治療薬となる。SBMAは、成人男性に発症する筋萎縮を特徴とした連鎖性下位運動ニューロン疾患で、難病指定され、日本では1,223名の患者がいるが(2014年度厚生労働省調べ)、有効な治療法は確立していない。
SBMAでは、ポリグルタミンを有する変異アンドロゲン受容体(AR)が核内に異常蓄積し、男性ホルモン依存的神経細胞障害が起こるが、リュープリンSRは脳下垂体に持続的に作用、脳下垂体の反応性を低下させることによって、性ホルモンの産生を抑制する働きを持つ。
医師主導治験による評価によって確認
リュープリンSRは、2015年9月に国内で前立腺がん、閉経前乳がん等のホルモン依存性疾患の治療剤として製造販売承認されたLH-RHアゴニスト(黄体形成ホルモン放出ホルモン誘導体)注射用製剤。
今回の追加承認は、名古屋大学神経内科が中心となり、SBMAの患者を対象としてリュープリンSRの有効性と安全性を医師主導治験によって評価した結果によるものだとしている。
(画像は武田薬品工業株式会社HPより)

武田薬品工業株式会社 ニュースリリース
http://www.takeda.co.jp/news/2017/20170828_7818.html