HER2発現乳がんと膀胱がん患者を対象
第一三共株式会社は2017年8月29日のニュースリリースで、免疫チェックポイント阻害薬であるオプジーボ(R)と第一三共が開発中のDS-8201の併用療法を評価するための臨床試験の共同実施に関する契約をブリストル・マイヤーズ スクイブ社と締結したと発表した。
DS-8201はHER2に対する抗体薬物複合体で、抗体薬物複合体は、抗体医薬と薬物(低分子医薬)を適切なリンカーを介して結合させた医薬群のことである。
そして、がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体医薬を介し、薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑え、さらにがん細胞に対する高い攻撃力を持つ薬剤である。
2017年度第4四半期に試験開始予定
第一三共とブリストル・マイヤーズ スクイブ社は共同で、欧米において2017年度第4四半期(2018年1~3月)に、2つのパートから成る第1相臨床試験を開始する予定としている。
パート1ではHER2発現の再発・転移性乳がん患者を対象として、ニボルマブ併用時のDS-8201の推奨用量を決定する。パート2ではHER2発現の再発・転移性乳がん患者及び膀胱がん患者を対象として、両剤の併用療法の有効性、安全性及び忍容性を評価する。
第一三共グループは、研究の重点標的疾患領域を「がん」と定め、次世代領域を「疼痛、中枢神経系疾患、心不全・腎障害、希少疾患」とし、バイオ医薬品を含めた新薬創出に向けて取り組みを強化していると述べている。
(画像は第一三共株式会社のサイトより)

第一三共株式会社ニュースリリース
http://www.daiichisankyo.co.jp/news/detail/006692.html第一三共株式会社
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