XLHおよびTIOを対象とした臨床試験の結果
協和発酵キリン株式会社は、8月24日、抗FGF23完全ヒト抗体「burosumab」の臨床試験結果に関する学会発表を行うことを明らかにした。
この学会発表は、9月8日から11日まで開催される「AmericanSociety for Bone and Mineral Research (米国骨代謝学会)」2017年年会にて、協和発酵キリンが同社英国子会社と共に行うもの。染色体遺伝性低リン血症(XLH)および腫瘍性骨軟化症(TIO)を対象とした「burosumab」の臨床試験結果を発表するという。
FGF23の過剰作用により起こるXLHとTIO
「burosumab」は、協和発酵キリンにより発見されたFGF23(線維芽細胞増殖因子23)に対する完全ヒトモノクローナル抗体。
FGF23は、主として骨組織で産生される251アミノ酸からなるポリペプチド。腎臓に作用し、腎尿細管でのリンの再吸収を阻害する作用を持つ。近年の研究により、低リン血症性くる病や腫瘍性骨軟化症、腎不全などの疾患におけるFGF23の関与が示俊されている。
XLHおよびTIOにおけるリン排出は、FGF23の過剰な作用により引き起こされている。「burosumab」は、FGF23の過剰な作用を阻害することで、腎臓におけるリンの再吸収を増加させ、腸管におけるリンとカルシウム吸収を促進するビタミンDの産生を増加させる。
口頭発表2件およびポスター発表3件
「AmericanSociety for Bone and Mineral Research」での発表は、口頭発表2件およびポスター発表3件という形で行われる。口頭発表は、XLHを対象とした「burosumab」成人第3相試験および小児第2相試験の結果を報告する。ポスター発表は、XLHを対象とした小児第2相試験の患者報告アウトカムに関する追加データ、TIOを対象とした第2相臨床試験、および5歳未満のXLH患者を対象とした第2相試験について、報告を行う。
協和発酵キリングループは今後も、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求するとしている。
(画像は協和発酵キリンの公式ホームページより)

抗FGF23完全ヒト抗体burosumabの臨床試験結果に関する学会発表について - 協和発酵キリン株式会社
http://www.kyowa-kirin.co.jp/