難治性下垂体腫瘍の新たな治療法発見に期待
国立大学法人 神戸大学は、8月21日、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下「AMED」)平成29年度「再生医療実現拠点ネットワークプログラム(疾患特異的iPS細胞の利活用促進・難病研究加速プログラム)」における研究拠点2に、同学の研究グループが採択されたと発表した。
今回採択されたのは、同学医学研究科の糖尿病内分泌内科学・高橋裕准教授と、iPS細胞応用医学・青井貴之教授らのグループ。難治性下垂体腫瘍の新たな治療法発見が期待される研究を行うという。
疾患特異的iPS細胞を用いて疾患メカニズムを解明
神戸大学の同研究グループはこれまで、「疾患特異的iPS細胞を用いた下垂体疾患モデルの創出を目指した研究」を進めてきた。同研究は、「先天性下垂体低形成の病因・病態解析」「 抗PIT-1抗体症候群の病因・病態解析」「下垂体腫瘍オルガノイドを用いた病因解析と創薬」を、疾患特異的iPS細胞を用いて行うというもの。今回の研究拠点2採択は、同研究の内容および実績が認められたためだという。
研究拠点2では、疾患特異的iPS細胞を用いて疾患メカニズムを解明し、表現型解析や疾患モデリングなど解析技術の高度化が行われる。
大きなブレークスルーになる
研究拠点2における研究では、下垂体疾患に対する疾患特異的iPS細胞の初めての応用が行われる。遺伝子異常に伴う先天性疾患のみならず、後天性の自己免疫疾患への応用という点で、大きなブレークスルーになるという。また、これら疾患の原因および病態解明にも結びつくことが期待できるとしている。
さらに、同研究において下垂体腫瘍オルガノイド樹立に成功した場合、これまで腫瘍サンプルが微小であるために困難であった難治性下垂体腫瘍の原因解明や創薬に結びつくともしている。
(画像は神戸大学の公式ホームページより)

AMED再生医療実現拠点ネットワークプログラム研究拠点に採択されました - 国立大学法人 神戸大学
http://www.kobe-u.ac.jp/