キャッスルマン病への治療薬として2005年に誕生
中外製薬株式会社は、8月25日、ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「アクテムラ皮下注162mgシリンジ」「同オートインジェクター」について、高安動脈炎と巨細胞性動脈炎を効能・効果とする追加承認を取得したと発表した。
高安動脈炎と巨細胞性動脈炎は、共に国の難病に指定されている疾患。「アクテムラ」は、希少疾病であるキャッスルマン病への治療薬として2005年に誕生した薬剤。
IL-6の生物学的作用を抑制し、薬効を発揮
高安動脈炎と巨細胞性動脈炎からなる大型血管炎では、血管の炎症により動脈狭窄・動脈瘤などが発現する。病変部位によっては、脳梗塞・弁閉鎖不全症・腎機能低下などの重篤な臓器障害をきたすことが知られている。
「アクテムラ」は、中外製薬と大阪大学との共同研究により創製された抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体をもとにして、遺伝子組換え技術により産生した国産初の抗体医薬品。IL-6とそのレセプターの結合を競合的に阻害することで、IL-6の生物学的作用を抑制し、薬効を発揮する。
同剤は2014年6月、大型血管炎に対する治療薬として厚生労働省より「希少疾病用医薬品」の指定を受けていた。
臨床試験の成績に基づく承認
今回「アクテムラ」が取得した承認は、高安動脈炎患者を対象とした国内第3相臨床試験と、巨細胞性動脈炎患者を対象としてロシュ社主導のもと実施された海外第3相臨床試験の成績に基づくもの。
中外製薬は今回の承認取得について、同社創製の薬剤が高安動脈炎と巨細胞性動脈炎の患者の治療にも貢献していくことを期待するとしている。
(画像は中外製薬の公式ホームページより)

アクテムラ、指定難病の高安動脈炎、巨細胞性動脈炎に対する効能・効果追加の承認を取得 - 中外製薬株式会社
https://www.chugai-pharm.co.jp/