中等症から重症の潰瘍性大腸炎に対する治療薬、ベドリズマブ
武田薬品工業株式会社(以下、武田薬品)は8月22日、ベドリズマブについて、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎治療薬として、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったと発表した。
ベドリズマブは、標準治療または抗TNFα抗体の投与で効果不十分、効果減弱、または不耐性である中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎及びクローン病に対する治療薬として、2014年5月に欧州と米国で承認を取得している。
その後、現在までに60か国以上で承認を取得、11万3000人以上に使用されてきた。
潰瘍性大腸炎、若年成人の患者多くQOLに大きく影響
今回の申請は、国内臨床第3相試験CCT-101試験及び海外臨床第3相試験GEMINI I試験の結果に基づくもの。
潰瘍性大腸炎は最も代表的な炎症性腸疾患の一つで、大腸粘膜に再燃と寛解を繰り返す慢性の炎症が生じる進行性疾患。日本では16万人以上の患者がいると推定されている。
武田薬品日本開発センター所長 部谷 敏郎氏は、潰瘍性大腸炎は若年成人での罹患率が高く、下痢や直腸出血、便失禁、腹痛などの症状により患者のQOLに大きな影響を及ぼすとの考えを示したうえで、今回の申請を通して国内の患者に新たな治療オプション届ける第一歩を踏み出せたことを誇りに思うとコメントした。
また、同社Gastroenterology Therapeutic Area Unit HeadであるAsit Parikh氏は、病因に焦点を当て多様なモダリティを活用することで、消化器系疾患に苦しむ患者のQOL向上目指して治療薬の開発に取り組んでいくとしている。
(画像は武田薬品工業株式会社 ホームページより)

武田薬品工業株式会社 ニュースリリース
http://www.takeda.co.jp/news/2017/20170822_7816.html