広い分野での応用が期待される
国立大学法人山口大学は、8月21日、天然では得られないアミノ酸を作る基本技術を開発したと発表した。
この成果は、同学大学院創成科学研究科応用化学分野の西形孝司准教授と東京大学生産技術研究所物質・環境系部門の砂田祐輔准教授らのグループによるもの。医薬分野を始め、広い分野での応用が期待される成果だという。
大きな反応部位へもアミノ基の導入が可能に
アミノ酸は、非常に大きな構造を持ち、画像診断薬や特定の細胞とも強く相互作用するため、医薬分野において注目されている。しかし、立体的に大きな反応部位へアミノ基を導入すること(アミノ化)が極端に難しいため、医薬分野で活用できる非天然型アミノ酸の種類は限られていた。
新しい合成手法を求めて、同研究グループは今回、銅触媒によってα-ブロモアミド化合物とアミンとのアミノ化反応技術を開発。この技術を利用すると、立体的に非常に大きな反応部位へもアミノ基の導入が可能となり、様々な非天然型アミノ酸誘導体の作成もできるという。
非天然型アミノ酸を自在に合成する第一歩
天然のアミノ酸は、その種類や構造に制限がある。しかし非天然型アミノ酸は、種類や構造に制限がなく、期待される機能を無限に付与することも理論上は可能となる。
同研究グループは、今回開発した技術が非天然型アミノ酸を自在に合成する第一歩になるものとして、今後は反応系をさらに工夫するとしている。
(画像はプレスリリースより)

天然では得られないアミノ酸を作る基本技術の開発 - 国立大学法人山口大学
http://www.yamaguchi-u.ac.jp/