放射線治療と併用される医薬品
株式会社ポーラファルマは、8月17日、放射線増感剤「ドラニダゾール」のライセンス契約を、米国Shuttle Pharmaceuticals Inc(以下「Shuttle社」)との間で締結したと発表した。
放射線増感剤は、手術には適さない固形がんの治療において、放射線治療と併用される医薬品。「ドラニダゾール」は、ポーラファルマが開発した2-ニトロイミダゾール誘導体の低酸素性細胞放射線増感剤。
がん領域に注力したパートナーを探していた
固形がん治療において放射線増感剤は、正常組織内に対しては認容性を維持しつつも、放射線への抵抗性を持つがん細胞に対しては放射線の効果を高める。日米では現在、低酸素性細胞放射線増感剤としての適応を持ち、固形がんの放射線治療に汎用されている薬剤は、存在しない。アンメットニーズが存在すると、ポーラファルマはしている。
「ドラニダゾール」についてポーラファルマは、日本において膵がん術中照射の適応では第3相試験まで、非小細胞肺がんの適応では第2相試験まで、それぞれ臨床試験を終了。また、中国では深せん万楽薬業公司が同剤のライセンス先となっており、他の地域でもがん領域に注力したパートナーを探していたという。
定位照射をより進化させる
今回の「ドラニダゾール」のライセンス契約締結についてShuttle社は、定位照射と併用する同剤には臨床的あるいは実用的な機会があると考えたためとしている。また、低酸素性細胞放射線増感剤を用いて定位照射をより進化させることができるとも考えたという。
Shuttle社は今後、「ドラニダゾール」と定位照射を併用した際の安全性と有効性を検証するため、膵がん・肺がん・肝がん患者を対象に臨床試験を実施する予定。
(画像はポーラファルマの公式ホームページより)

放射線増感剤ドラニダゾールのライセンス契約締結のお知らせ - 株式会社ポーラファルマ
https://www.pola-pharma.co.jp/up_pdf/20170816121730_pdf.pdf