安全性および推奨投与量を確認
オンコセラピー・サイエンス株式会社は、8月15日、同社が実施中であるMELK阻害剤「OTS167」の乳がんに対する第1相臨床試験について、1例目の患者登録が完了したと発表した。
同試験は、「OTS167」のカプセル剤による経口反復投与における安全性および推奨投与量の確認を、主目的とするもの。1例目の患者登録は、8月14日に行われている。
新しい作用機序の分子標的治療薬
「OTS167」は、新規キナーゼであるMELK (MaternalEmbryonic Leucine zipper Kinase) を標的とする。MELKは、ゲノム包括的遺伝子解析に基づいて発見されたキナーゼ。「OTS167」は、新しい作用機序の分子標的治療薬であり、がん幹細胞に対してより強く効果を発揮することが期待されている。
同剤は、肺がん・前立腺がん・乳がん・膵臓がんなどに対する強力な抗腫瘍効果が、動物試験において確認された。また、オーストラリアにて実施された第1相臨床試験では、健常成人を対象とする経口投与において、良好な経口吸収性が確認されている。
安全性に十分留意しつつ試験を実施
今回1例目の患者登録が完了した「OTS167」の第1相臨床試験は、米国コーネル大学およびテキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターにて実施されているもの。対象は、トリプルネガティブ乳がんを含む乳がんの患者。経口反復投与における安全性および推奨投与量の確認と共に、トリプルネガティブ乳がんに対する臨床上の有効性の確認も、副次的に行うという。
オンコセラピー・サイエンスは今後も、安全性に十分留意しつつ臨床上の有効性を確認するための臨床試験を実施するとしている。
(画像はオンコセラピー・サイエンスの公式ホームページより)

MELK阻害剤「OTS167」の乳がんに対する第1相臨床試験進捗に関するお知らせ - オンコセラピー・サイエンス株式会社
http://www.oncotherapy.co.jp/