MELK特異的阻害剤の物質特許が欧州で登録
オンコセラピー・サイエンス(OTS)株式会社は8月10日、新規抗がん剤として開発中のMELK(Maternal Embryonic Leucine zipper Kinase)特異的阻害剤に関する物質特許が欧州で登録された、と発表した。
登録特許の発明の名称は「1,5ーナフチリジン誘導体および該誘導体を含むMELK阻害剤」、登録番号は「第2753329号」である。
同特許は、すでに米国、シンガポール、オーストラリア、日本でも登録されている。
MELK特異的阻害剤OTS167は、多くのがん種に適応可能で副作用が非常に少ない
MELKは、米国シカゴ大学中村祐輔研究室のゲノム包括的遺伝子解析により発見された、抗がん剤の新規標的分子である。
乳がんや肺がんなどの様々ながん種での発現が非常に高く、正常な組織ではほとんど発現しません。そのため、MELKに作用する薬剤は多くのがん種に適応可能で、副作用リスクが非常に低いと考えられている。
OTSは、MELKに対して極めて高い阻害活性を示す低分子化合物OTS167、を開発中である。OTS167は、急性骨髄性白血病、小細胞肺がん、乳がん、前立腺がん、膵臓がんのモデルマウス実験において、静脈内注射および経口投与により、がん細胞の増殖を著しく抑制した。
現在、MELK特異的阻害剤OTS167は、米国シカゴ大学では急性骨髄性白血病の臨床実験、米国コーネル大学とテキサス州立大学においては乳がんの第1相臨床実験を開始しているとのこと。
(画像はオンコセラピー・サイエンス株式会社のHPより)

オンコセラピー・サイエンス株式会社のニュースリリース
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