HIVの複製に必須である逆転写酵素を阻害
オンコリスバイオファーマ株式会社は、8月9日、同社が開発中のHIV感染症治療薬「OBP-601(Censavudine)」について、化合物に関する欧州特許出願の特許査定を受けたと発表した。
「OBP-601」は、HIVの複製に必須である逆転写酵素を阻害する薬剤。オンコリスバイオファーマは2006年6月、同剤の物質特許を保有する米国Yale大学と全世界における独占的ライセンス契約を締結し、パイプラインとして導入している。
幅広くかつ強力な薬理効果を示す薬剤
オンコリスバイオファーマは、ウイルス学に立脚した技術を駆使して、がんや重症感染症の治療法にイノベーションを起こすことを使命とする企業。また、オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)領域にも事業を拡大し、世界の医療に貢献することを目指している。
「OBP-601」は、既存のHIV感染症治療薬に耐性を持ったウイルスに対しても、幅広くかつ強力な薬理効果を示す薬剤。また、従来のHIV感染症治療薬において問題となってきた神経障害や脂質代謝異常といった副作用についても、軽減される可能性が期待されている。
「テノホビル」の耐性ウイルスにも効果を示す
今回「OBP-601」について特許発明が認められた化合物は、核酸系のみならず非逆転写酵素阻害剤の耐性ウイルスにも強い効果を示し、現在世界最大のシェアを誇る「テノホビル」の耐性ウイルスにも効果を示すというもの。
なおこの化合物は、鹿児島大学難治性ウイルス病態制御研究センター・昭和大学薬学部・Yale大学医学部の共同研究により見いだされている。
(画像はオンコリスバイオファーマの公式ホームページより)

欧州におけるOBP-601の物質特許に関する特許査定のお知らせ - オンコリスバイオファーマ株式会社
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