多発性B細胞がんの治療薬として開発中の薬剤
アストラゼネカ株式会社は、8月4日、現在開発中の未承認薬「acalabrutinib」が、マントル細胞リンパ腫の治療薬として米国食品医薬品局(FDA)より画期的治療薬に指定されたと発表した。
この発表は、英国のアストラゼネカ本社が8月1日に発表したプレスリリースを翻訳したもの。「acalabrutinib」は、多発性B細胞がんの治療薬として開発中のブルトンチロシンキナーゼ(BTK)阻害剤。
予後が不良な悪性B細胞非ホジキンリンパ腫
マントル細胞リンパ腫は、予後が不良な悪性B細胞非ホジキンリンパ腫。西欧諸国においては、新規非ホジキンリンパ腫患者の約3%から6%を占め、年間発現率は10万人あたり0.5人とされる。診断時年齢の中央値は68歳であり、患者の性別は3:1の比率で男性が多い。
「acalabrutinib」は、BTKに対する選択的かつ強力な共有結合型阻害剤であり、非特異的作用が非常に小さいことが非臨床試験において認められている。現在は、B細胞性リンパ腫をはじめとする複数のがん種に対する治療薬として開発が進行中。2015年9月には、FDAよりマントル細胞リンパ腫の治療薬として希少疾病用医薬品の指定を受けている。
一日も早く患者へ届ける大きな助けになる
画期的治療薬は、深刻なアンメットメディカルニーズが存在する疾患に対する治療を目的として、既存の医薬品を上回る大幅な改善を示した医薬品の開発・薬事審査を促進すを目的とする制度。FDAは今回、「acalabrutinib」開発プログラムで得られた総合的な臨床データに基づいて、同剤を画期的治療薬に指定している。
アストラゼネカ本社は、今回の画期的治療薬指定について、「acalabrutinib」を一日も早く患者へ届ける大きな助けになるとしている。
(画像はアストラゼネカの公式ホームページより)

ACALABRUTINIB、マントル細胞リンパ腫治療薬としてFDAより画期的治療薬に指定 - アストラゼネカ株式会社
https://www.astrazeneca.co.jp/