FDAとEMAに抗がん剤レンバチニブの肝細胞がんに係る適応承認申請
エーザイ株式会社は7月25日、同社創製の抗がん剤レンバチニブメシル酸塩(レンバチニブ)について、米国食品医薬品庁(FDA)と欧州医薬品庁(EMA)に肝細胞がんに係る適応承認申請を行った、と発表した。
レンバチニブは初めて主要評価項目を達成
レンバチニブは、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)や線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)などの腫瘍血管新生あるいは腫瘍悪性化に関与する、経口投与可能な新規結合型チロシンキナーゼ阻害剤である。
レンバチニブと標準治療薬であるソラフェニブとを比較するため、全身化学療法歴のない切除不能な肝細胞がんの患者954人に対し、多施設共同、非盲検、無作為化グローバル臨床第3相試験(REFLECT試験、304試験)を実施した。
その結果、全生存期間(OS:Overall Survival)は、レンバチニブ群で中央値13.6か月、ソラフェニブ群で中央値12.3か月となり、統計学的に非劣性を証明し、初めて主要評価項目を達成した。
また、副次評価項目の無増悪生存期間(PFS)、無増悪期間(TTP)、奏効率(ORR)についても、ソラフェニブに対して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示した。
有害事象は、高血圧、下痢、食欲減退、体重減少、疲労などで、安全性プロファイルと同様だったという。
肝細胞がんに係る適応については、2017年6月に日本、2017年7月米国と欧州に承認申請を行い、今後中国へは2017年度下期に承認申請する予定とのこと。
(画像はPixabayより)

エーザイ株式会社のニュースリリース
http://www.eisai.co.jp/news/news201736pdf.pdf