発症前診断に期待が持てる成果
順天堂大学は、8月4日、同学大学院の研究グループが、パーキンソン病の発症早期に特徴的な変化を示すアシルカルニチン群を特定したと発表した。
この成果は、同学大学院医学研究科・神経学講座(脳神経内科)の斉木臣二准教授、服部信孝教授らの研究グループによるもの。パーキンソン病の発症前診断に期待が持てる成果だという。
長鎖アシルカルニチン群7種の濃度が低下
パーキンソン病は、運動に関する症状が徐々に進行することが特徴とされる。また近年は、発症する10年以上前から「前駆症状」が高い頻度で認められることもわかりつつある。
パーキンソン病におけるこれらの前駆症状は、症状出現時より患者の神経細胞数減少が開始・進行していることを示唆するものとされる。この前駆症状期に疾患の予兆を正確に診断し、新たな根本的治療介入を開始することが、治療においては重要となる。
同研究グループは今回、パーキンソン病の早期に特徴的な変化を見出すことを目的として、早期パーキンソン病患者の血液の血漿中に含まれる代謝産物を網羅的に調査。早期パーキンソン病患者では、血中代謝産物の長鎖アシルカルニチン群7種の濃度が低下していることを発見した。
先制医療の一助にもなり得る
この7種の長鎖アシルカルニチン群濃度は、パーキンソン病治療薬やBMIの影響によるものではないことも、同研究グループは確認。長鎖アシルカルニチン群7種の濃度をバイオマーカーとして確立すれば、十分な精度をもって早期パーキンソン病の診断ができる可能性が示唆されたとしている。
同研究グループは今回得た知見について、早期パーキンソン病の診断のみならず、前臨床期・前駆症状期における発症前診断に繋がるものであり、先制医療の一助にもなり得ると期待しているという。
(画像はプレスリリースより)

パーキンソン病の発症早期に特徴的な変化を示すアシルカルニチン群を特定 - 順天堂大学
http://www.juntendo.ac.jp/